旧統一教会との関係が疑われている盛山文部科学大臣に対する不信任決議案について反対討論を行いました。
反対理由として「盛山大臣が旧統一教会と関係があったことは事実だが、行政が歪められたという確証はなく、宗教法人の所管大臣として適切に職務を遂行している」との旨を述べました。
一方で、旧統一教会による被害者の存在や、自民党の内部調査の杜撰さ、盛山大臣の答弁の矛盾などを指摘しました。
動画で見たい方はこちらから!
盛山大臣は令和3年の衆議院議員選挙において、世界平和統一家庭連合、いわゆる旧統一教会の関連団体から選挙の支援を受け、また政策協定を結んだとする疑惑が持たれています。公職選挙法のルールに則り、候補者が業界団体や宗教団体を初めとする各種団体から推薦や支援を受けることや、各種団体と政党や候補者が政策協定を結ぶことは、公助良俗に反しない限り、咎められるものではありません。
しかしながら、自民党が一昨年、旧統一教会との接点に関して、所属全議員379人に行ったアンケートにおいて、盛山大臣は「接点は関連団体での挨拶を行っただけ」と回答していたにも関わらず、この年明けからの新聞や週刊誌などの報道によると、結果として、この回答が事実ではなかったという蓋然性が高まっています。
自民党の内部調査が杜撰であったことに加えて、今国会、盛山大臣は一部野党の必要な追及に対し、旧統一教会等の接点について「覚えていない」「薄々思いだしてきた」「サインをしていたのかもしれない」などと答弁の修正を重ねてきました。
政府を代表して答弁に立つ大臣の対応としては残念でなりません。ただでさえ、今国会は前代未聞の自民党の派閥による裏金問題に端を発した政治改革は言うに及ばず、物価上昇を上回る賃上げや少子化対策、教育の無償化、社会保障制度改革、外交安全保障、憲法改正など取り組むべき重要な課題は山積しています。脇見をしている暇(いとま)はありません。
盛山大臣は16日の記者会見で、「旧統一教会側が揺さぶりをかけてきているということも十分考えられる」「良いように弄ばれていると感じている」と述べましたが、結果的に大臣自身の迷走により、他の重要課題の審議の停滞が余儀なくされており、その点には真摯な反省を求めます。加えて、このような杜撰な内部調査を行った自民党に対しては、今回の政治と金の問題の調査結果についても、直ちに信頼することは極めて難しいと申し上げます。
さて、文化庁によれば、旧統一教会は長年にわたって法令に違反し、多数の方々に多額の財産的損害や精神的犠牲を強いてきた経緯があります。
私達も、政府の見解に同意しています。そうした中で、盛山大臣は昨年9月に就任するや、翌10月13日には宗教法人の所管大臣として、東京地裁に教団の解散命令請求を着実に行いました。明後日の22日には、地裁で審問が始まる予定です。
加えて、現時点では、盛山大臣と旧統一教会の癒着によって行政が歪められたという確証はありません。今、私達が対峙しなければならないのは、盛山大臣その人ではなく、数多の被害者を生み出してきた旧統一教会そのものであります。
旧統一教会との関係を巡る真偽不明の情報が流布、報道されるたびに、国会や行政狼狽し、事実上の機能不全に陥れば、それこそ教団側の思うつぼであります。繰り返しになりますが、盛山大臣の答弁や自民党の調査が不適切であったとしても、旧統一教会に対する忖度により行政が歪められたとする事実は認識されていない上、宗教法人を所管する大臣としての職務姿勢も現段階では1人に値する重大な瑕疵があるとまでは言えません。
以上の理由により、私達は、本決議案に賛成することはできません。日本国憲法43条では、両議員は全国民を代表する選挙された議員でこれを組織すると定められています。私達国会議員は、特定の選挙区や団体組織の代表ではなく、1人1人が全国民を代表します。
いやしくも特定組織の影が色濃い策動に、国務大臣の進退が左右されることはあってはなりません。盛山大臣自身には、論語の一節「民信なくば立たず」という言葉を、今一度肝に銘じてもらうよう求め、反対討論といたします。
ご清聴ありがとうございました。
コメント