【政治とカネ】「総理は判断が遅い!裏金議員の処分は?」岸田総理に政治とカネの問題を問う(2024年3月1日)

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今回のポイント

衆議院予算委員会において、岸田総理大臣と「政治とカネの問題」について議論を行いました。

まず「政治とカネの問題」を根絶するために、前提として自民党の選挙主至上主義を改める必要性を指摘。その為には真相究明が重要であると訴え、総理のリーダーシップを強く求めました。

また、裏金議員の党内処分の問題や、参議院人事権の重要性、連立政権のあり方についても総理に問いただしました。

今回の議論の結果として、スピード感のない真相究明や党内処分、しがらみの温床となっている参議院自民党、そして改革を先送りしても政権維持を優先する自公連立政権など、「変われない自民党政治」の現状が露わとなる結果となりました。

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金村りゅうな

今回の「派閥による組織的な裏金」とも言われる政治と金の問題。そして「5年で11人も逮捕者を出している現状」。

やはり、この政治と金の問題を根絶するためには、少なくとも自民党が選挙に勝つことだけを目的にした、この選挙主至上主義のように見えてしまう現状を改めていかなければならないと考えます。

(自民党の)逮捕者は、地方議員に対してお金を配って逮捕されています。一方で、参議院議員を通して組織内議員を多く抱え、組織や団体としがらみを抱えている。ここをしっかりと解消していかなければ、少なくとも自民党による政治と金の問題は解決をしません。

その上で、昨日総理が政倫審に出席をされて、ご発言を聞いていると、やはり真相究明よりも、どちらかと言えば、再発防止に軸足があると感じました。

今回、1月に総理自身が派閥の解散を明言しました。そもそも派閥を通して、今回の問題が起きているんであれば、派閥を解散する前に、やはり真相究明にしっかりと関わるべきだったと私は感じております。

この再発防止よりも、まずは真相究明をしなければ、現状維持微修正が続いてしまいますから、本当に真相究明をリーダーシップをとって発揮する気があるのか、ご答弁ください。

岸田総理

「真相究明」「事実を把握」

それがあってこそ説明責任を果たすことができるわけでありますし、そして、それがあってこそ、政治責任を果たすことにもできるわけであります。

「再発防止」ももちろん大事なことでありますが、これらを総合的に進めていくことが国民のこの政治不信に対してこの政治家が真剣に向き合う態度ではないかと思います。

ですから「事実の究明」を決して軽んじているものではありません。「再発防止」と並行して、「事実の確認」と「説明責任」、そして「政治責任」さらには「道義的な責任」、これについても、党としてしっかりと判断していきたいと考えています。

金村りゅうな

やはりスピード感がなければ、国民からさらに信頼を裏切ることになると思います。まずは真相究明に徹底して力を入れて取り組んでいただきたいと思います。

その上で、党内の処分について、少し伺わせてください。そもそも、自民党内のガバナンスとして「総理のリーダーシップ」「力強い指導力」を発揮して、罪を犯せばしっかりと処分をすることが必要じゃないかと考えます。しかし、この2ヶ月余り「真相究明」「再発防止」「説明責任」は議員個人に委ねてきたのかもしれませんが、実際には処分がなされていない。

これ我々が外から見ると「わざと処分してないんじゃないか」「権力闘争なんじゃないかな」そういうふうにしか見えないんです。

やはり、悪いことをしたら処分する。そして処分された期間に研鑽を積んで、終わればまたしっかりと国民のために働く。そのためには処分がないと、自民党内も動けないと思うんですよ。それをずっと予算委員会1ヶ月以上通して、政治改革の議論してきました。

総理自ら真相究明に力を入れること、そして、今回リストとして挙がっている皆さんをしっかりと処分すること、これを期限を区切って明言することはできませんか。

岸田総理

処分が権力闘争ではないかというご指摘は全くありません。

先ほど申し上げたように、実態を把握した上で「説明責任」「政治責任」さらには「再発防止」、これに努めていかなければならないということでありますが、この実態把握についても委員ご案内の通り、この事案については昨年末から大きくマスコミ等でも取り上げられるようになったわけです。1月に入ってからも検察の捜査が行われていました。捜査の進み具合を見ないと、本人も修正等の対応はできなかったわけです。そして、捜査が進む中にあって説明ということについても、十分この説明することができなかった制約があった。

こういった実態があったんだと思います。そして捜査が行われた後、それぞれ捜査を踏まえて事実を確認した上で、修正を行い、そして個別の説明を行って始めた。そして、党としても独自の立場で聞き聞き取り調査も行ってきた。こういった段階を踏んできたわけであります

そして、「実態把握」については、今でも今日も政倫審が行われるなど、様々な確認が行われているところであります。

「説明責任」を果たした上で、この「政治責任」「道義的責任」についても判断していく。これが順番だと思っておりますので、今言った経過の中でしかるべきタイミングで、党としても政治責任について判断をしていきたいと考えています。

金村りゅうな

たしかに、それもそうだなと理解を示すんですが、一つ一つのスピードが遅いと、国民からそっぽ向かれ、信頼を失います。やっぱりそこは、国民感覚に寄り添って判断・決断をする必要があると思います。

その上で、総理が政倫審に出席をされたことを見ていると、自民党のガバナンスが行き届いていないのかなと。結果として、総理が出席するという形の決断をするしかなかったのかなと感じています。

一方で、総理は派閥のことを「人事と金を切り離す政策集団」と表現されてますが、閣僚人事があるときに、よく「参議院枠」っていう言葉、報道でよく見るんですね。私は自民党の中の議員になったことがありませんので、よく理解をしておりませんが、自民党総裁にとって、自民党参議院議員の人事権ってあるんですか。

岸田総理

自民党参議院の人事権ということですが、これはまずその人事権はどこの範囲までを言うのか、ということを確認しなければならないと思います。

基本的に参議院の人事については、参議院の自主性に鑑みて、例えば参議院自民党の会長、これは所属参議院議員による公選選挙によって、選ばれることになっていますし、その他の役員は、この選挙で選ばれた会長の推薦に基づき、それぞれ選ばれる仕組みになっています。

その部分について、総裁として人事等を行っているということはありません。

ただ、閣僚人事については、最終的に内閣総理大臣として衆議院も参議院も含めて判断するというのが現実であります。

金村りゅうな

つまり、参議院自民党の役員人事にはほぼ権限がないと聞こえました。

何が言いたいかというと、先ほど私が冒頭申し上げた通り、政治とカネの問題は「しがらみ」だと、「企業団体とのしがらみ」の中の一つに、参議院選挙、参議院のあり方があるということです。そして、私は派閥について「解散するのは少し早かったんじゃないか」と指摘もしましたが、つまり、衆議院と参議院をあまねくガバナンスをしてきたものに、派閥が一定機能をしていたのではないでしょうか。参議院自民党に人事権がなければ、総理が孤立をしていくことだってありうるわけです。

日本の政治にとって、自民党政権から政権交代した2回は、政権交代の衆議院選挙の前に参議院が過半数割れています。つまり、参議院においての人事権っていうのは、実は自民党にとって非常に大きいんじゃないかと考えています。

派閥をもし解散するんであれば、早急に党の組織のあり方を、検討いただいた方が良いと思います。

一方、政治改革の話になると「30年」というスパンが非常に話題になってきます。この30年間、自民党の歴史を見ていくと、大きく変化したものが二つ。それは「選挙制度」、もう一つは「連立政権」です。

自民党が選挙に勝つためだけに、かなり力を寄せていたら、政治とカネの問題も解決しません。改革を先送りしてでも与党で居続けることを、可能にしてしまっているその原因の一つが、連立政権にあると考えています。

本来、選挙前から連立を組むのであれば、やはり合併するべきだと思うんです。つまり、選挙制度上は小選挙区制度ですから、二大政党制を志向していくことが一番あるべき姿なわけで、政党の在り方も制度に準拠する必要があると考えています。この連立政権についてどのようにお考えですか。

岸田総理

自公連立政権については、20年以上にわたってこの緊密に連携をし、様々なこの課題、国政に関わる重要な課題について議論をし乗り越えてきた歴史があり、公明党は重要なパートナーであると考えています。

私が総理になってからも連立を基盤に、様々な課題、先送りできない課題について答えを出してきました。「そういったことであるならば、一緒になったらいいんではないか」との御指摘でありましたが、やはり政党というのは、それぞれ歴史があり、それぞれ哲学があり、そしてそれぞれ政党を応援する方々がおられます。その中で、この国政を動かすということについて、共にこの思いを共有できる部分については全力で協力をしていく。これは大変重要なことだと思いますが、一方で課題によっては、その党の歴史や、あるいは哲学との関係においてなかなか合意できない。こういった部分もあります。しかし、そういったときこそ、この歴史や考え方の違い、お互いにこの刺激を与えることによって、より良い結果を出すために、丁寧な議論を行うことが重要になってくる。こういった場面も、これまでも多々あったんだと思います。この両方が連立政権の大切なところではないかと思います。

全て同じ政党になってしまうということにおいては、この連立政権との比較においてメリットももちろんあるとは思いますが、今言ったお互いの切磋琢磨なり、刺激をし合うという部分については、薄れてしまう、こういった点もあるのではないか、このように考えます。

金村りゅうな

時間になりました。

最後一番長く、ご答弁いただいたので、(連立政権が)非常に大切だという思いは伝わりました。ありがとうございます。

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